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第2話 市立図書館に行こう

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一冊の本との出会いが人生にもたらすものとは。 多賀城市立図書館副館長の鈴木実紗さんは、進路を決める際「司書以外になりたい職業はたくさんあったが、それらが全て読んだ本に影響されていることに気付いた」そうだ。だったら色んな職業を知ることができる司書の仕事を通して夢を見続けることも面白いかもしれない、と司書の道へ進んだ。

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多賀城に、これまでのイメージを覆す次世代の図書館が完成したのは2016年3月。全国に書店や、レンタル事業等を展開しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)へ、多賀城市から「代官山にある蔦屋書店をこのまちに!」と相談があったことをきっかけに3年の構想期間を経て2016年3月21日にお披露目となった。 「多くの市民が集い交流でき、誇りとなる場所」という菊地前市長の想いをベースに市民アンケート等を実施し、求められている図書館を形にしていく過程で、誰もが行きたくなる環境や居心地の良い空間のある「家」のような場所、というコンセプトが立ち上がった。1階はリビング、2階は書斎、3階は勉強部屋と、階ごとにテーマが設けられている。リビングをイメージした1階にはカフェが併設され、くつろぎながら読書を楽しむことができる。 文化の発信拠点として、本という入り口にとどまらず、ヨガや英語の多読サロン、コンサートなどのイベントを企画することで来館者への間口を広げ、今まで足が遠のいていた層へのアプローチも積極的だ。しかし本の魅力を伝える本来の役割もしっかりと担っている。

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「その本を提案したことによって、読んだ方がどうなっていくかまで想像して欲しい」という鈴木副館長の想いは職員全員が共有している。ご利用者様の探している本を見つけるのはあたりまえ。そこから一歩踏み込んだ提案をするのがこの図書館の特徴でもある。「ご提案させていただいた本との出会いから、新しいことに挑戦するきっかけになれたら嬉しいです」。もちろん、その先どうなったかを知る機会はないかもしれない。けれど、重い本をもう一冊持ち帰るという選択は、提案を受け入れてくれた証だ。家族を想う気持ちのように、これからも多賀城市立図書館は市民のあしたに寄り添い続けていく。

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鈴木実紗/2015年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社に入社後、海老名市立中央図書館での司書経験を経て現多賀城市立図書館副館長。最初に読破した長編小説はドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟。

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